山中 仁氏「『ここまでできる』 IE, Firefoxのブラウザ拡張ソフトの開発」開催レポート

10月のサロンは、経産省の未踏ソフトウェア創造事業の支援を受けて開発されているブラウザオーバーレイ技術「Nayuta」の開発者であり、アップステアーズ社 (後にネットエイジCPが買収) 、株式会社ぽんこつなどの創業メンバーとしても知られる 山中 仁さんにホストしていただきました。
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以下は高田俊明さんによるレポートです。
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まず最初は、スピーカーである山中さんご自身の自己紹介から始まりました。ロボットの研究にはじまりブラウザ拡張/Webサービスに至るまで、関わってこられたプロジェクトについて話されました。いくつかのstartup をご自身で立ち上げたこと、また事実上ボランティアでやられている media art の仕事などなど、softwareという枠には全くとらわれていないユニークな経歴に、我々参加者はやや唖然としつつ、今日のサロンは始まったのでした。


自己紹介の中では、山中さんの真骨頂でもある IEのブラウザ拡張とご自身の運営されている Webサービス "nayuta"のデモが行われました。具体的にはIEのツールバーにボタンがいくつか追加されており、それをクリックするとブラウザ画面上の任意の領域をクリップすることがき、同時にnayuta.com にクリップした画像及びそれに含まれるリンク情報、また任意のテキストを追加して、送信/登録できるといったもので、山中さんのデモに会場からは感嘆の声がもれていました。

次に、IEによるブラウザ拡張の詳細についての話になりました。まず分散システムのアーキテクチャ、その歴史について簡単な説明のあと、開発の4つのフェーズについて説明が行われました。実際のソースコードを見ながらの説明は、皆が期待するところでもありましたが、Windows native の core な開発の話だけに(少なくとも私には)ツッコミどころがあまりなく、ただ大変そうだなという印象を受けました。

続いて、山中さんのもう一つの得意な領域でもある画像認識を組み合わせ、PCのカメラを入力にしてブラウザに検索を行わせるというデモが行われました。山中さんがおもむろにカバンからタマネギとコンニャクを取り出すと、参加者はぐっと引きつけられたのでした。山中さんは、タマネギとコンニャクをそれぞれカメラの前でさまざまな角度で写しながら画面上のボタンを押し、タマネギとコンニャクの違いを認識させました。登録が終わった後、再びタマネギとコンニャクそれぞれをカメラに写すと、それぞれの画像を判別し、キーワードに変換し、同時に開いた料理のレシピのサイトの検索のフィールドにそのキーワードを入力/submitすると、見事タマネギとコンニャクを使った料理のレシピが表示されたのでした。

このデモは、本日のサロンでは一番盛り上がり、参加者から山中さんに画像認識に関する多くの質問がされました。山中さんによると特徴抽出による学習型の画像認識アルゴリズムが使われているとのことで、(なんちゃって理系の私には)アカデミックな非常に難しい部分だと感じました。しかしながら山中さんの話ぶりからは、さほど苦労されたようなでもなく、いとも簡単に実装されているような印象を受けました。

最後に、今後技術がどういった方向性に行くのか(クライアント側orサーバ側)という話では、ブラウザ拡張は負け組かもといったやや自虐的な話もありましたが、参加者からは、メインフレームからPCを経て今(googleのような)クラウドコンピューティングになっているが、行ったりきたりするのでは無いか。歴史は繰り返される、といったような意見がありました。またサーバ側で全てを管理した場合、サービスの永続性はどうなるのか、といった山中さんの疑問には、銀行に預けるのとタンス預金とみたいなもの、どっちがいいかは好みの問題、などの意見がありました。

幅広い知識の中から、アイディアを生み出し且つそれを実際に実装するまで妥協を許さない山中さんの技術力を見せつけられ、2時間強という時間もあっという間に過ぎた今日のサロンでした。




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