6月のギークサロンでは、スタンフォード大学数学科にて微分幾何学を研究されている松本佳彦先生をお迎えします。松本先生は大阪大学にて線形代数や幾何学を教えていた傍ら、高校生のための公開講座や一般向けの勉強会で講演されたりと幅広く活動されています。

数学や幾何学と聞くと全く別世界のように感じられてしまうかもしれません。ですが、数学における新しい概念の発見は、巡り巡って我々の生活に大きく役立ってもいるのです。例えば複素数についてはご存知の方も多いと思いますが、初めて触れた頃のことを覚えていらっしゃいますでしょうか?「2乗して-1になる数が実は存在するのだと考えてみる」ことがその始まりでした。複素数は一種の「新しい数」で、にわかには受け入れがたく感じることもあると思います。しかし複素数の発見は、電子回路設計やロボット制御、そしてその他数え切れないほど多くの分野の発展につながっています。

当日は「二重数」や「超現実数」といった聞き慣れない概念を例として、数学において新しい数(概念)をどうやって作っていくのかについてお話し頂きます。より具体的には、そういった新しい数を「仕様」と「実装」という観点から整理することを試みます。そうすることで、普段使っている「実数」、不思議な「複素数」、そしてもっと奇妙な「二重数」や「超現実数」を、同じ視線から眺められるようになるのではないかというのが松本先生の目論見です。松本先生によれば、 “見慣れた存在である実数と地続きのところに、少々ぎょっとするような存在がある。数学とは、そういうものを「見える」ようにして、認識できる世界を広げる学問である” とのことです。

また、松本先生の研究されている分野について、そして数学者の悩みや喜びについてなど、幅広くお話を頂く予定です。

■参加申し込みはmeetupより:
[ www.meetup.com/JTPA-Japanese-Technology-Professionals-Association/events/251623091/ ]

6/29 金曜日 / WSGR 弁護士事務所 / 650 Page Mill Road Palo Alto, CA

19:00開場、19:30より松本先生のトーク開始
参加費は$8。軽食つき。学生の参加費は無料になりますのでその場合はmeetupにてスタッフまでご連絡下さい。


アジェンダ:

*複素数とは何か?
*数の「仕様(公理)」と「実装(構成)」
*新しい数を作るには ー 複素数と二重数、実数と超現実数
*その他(双曲平面の幾何学、数学者の苦悩と喜び、ほか)

スピーカー:
松本佳彦 (まつもと よしひこ) 氏
Profile: www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~matsumoto/vita.php
研究分野 概観:www.math.sci.osaka-u.ac.jp/~matsumoto/research.php

2013年3月 東京大学大学院 数理科学研究科 博士課程 修了
2013年4月 同研究科教務補佐員
2014年4月 日本学術振興会 特別研究員(PD)
2016年4月 大阪大学大学院理学研究科数学専攻 助教
2017年9月 渡米、スタンフォード大学数学科 Visiting Assistant Professor

大阪大学理学部数学科 高校生のための公開講座「双曲平面の幾何学」
[ www.math.sci.osaka-u.ac.jp/koukai/index2016.html ]

趣味や特技:
趣味:演劇を観に行くのが好きです。あとは全般的に、読むこと、書くこと。ハーディの『ある数学者の弁明』という本を勝手に翻訳しました([ ymatz.net/hardy/ ])。楽器の演奏も趣味にするのが目標です。

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