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2002年08月02日

コラム : Reed Taussig

「どんな不況のもとでも、最後までエンジニアたちの首は、切らないよ。」とCallidus Software(http://www.callidussoftware.com/)のReed Taussig社長兼CEOは、こう語ってくれました。さすがに、Enterprise Incentive Management(EMI)という「個人の能力を充分に引き出す動機を与えるような報酬制度を管理するソフトウェアー」を開発し、マイクロソフト、サンマイクロシステムズなど大手企業を顧客に持つ会社を代表する人の言葉です。エンジニアたちに能力を充分に出させている自信が伺えます。

「どんな不況のもとでも、最後までエンジニアたちの首は、切らないよ。」とCallidus Software(http://www.callidussoftware.com/)のReed Taussig社長兼CEOは、こう語ってくれました。さすがに、Enterprise Incentive Management(EMI)という「個人の能力を充分に引き出す動機を与えるような報酬制度を管理するソフトウェアー」を開発し、マイクロソフト、サンマイクロシステムズなど大手企業を顧客に持つ会社を代表する人の言葉です。エンジニアたちに能力を充分に出させている自信が伺えます。

経済が滞り始めた今日の不況は、国防予算増によって新たにビジネスチャンスを得た一部の企業を除いて、シリコンバレーにも及んでいます。その失業率は、全米の失業率6%を上回って、8%近くにまで上昇し、閉ざされたオフィスの後には入居予定もなく、空き率は、30%に上ります。事実、友人の中には、オフィスをたたんで、家のガレージで仕事を始めている人もいますし、子供の学校の出迎えの時などに立ち話をしていても、「解雇」という言葉が頻繁に飛び出します。「レストランコックになったエンジニア」とか、「修理人として家々を回る元エンジニア」という言葉もあながち嘘とは思えません。このように、世界各国から集まった優秀なプロフェッショナルたちの就職は大変厳しいものになっていますが、勿論、経営者側も四苦八苦です。

コンピュータ業界で23年の経験を持つTaussig社長の一言は、会社の枢軸は高度な知的作業をこなすエンジニアたちである事をよく理解しているからこそこんな状況の下でも発せられたのでしょう。"Knowledge Technologists"たちと呼ばれる、コンピューター技術者、プログラマーやデザイナーなど、手に職を持った人々がCallidusのような所では、高く評価されています。すでに「MBAは当たり前」となりつつある米国社会では、もう一歩特化した、知的プロフェッショナルたちの必要性が浮き彫りになりつつありますが、たとえ「手に職を持った人々」であっても、「スペシャリスト」というタイトルに甘んじるだけでは、不況に巻き込まれてしまいます。"Intelligence and Creativity"を強く求められるこの職種に携わる人々は、常に技術を最先端のものに保つために外部での勉強を怠りません。

「うちのR&Dは、とても多国籍なんだ。」とTaussig氏は、言います。米国国内、海外それぞれに3支店を持つCallidusでは、世界から集まった130名程のエンジニアたちが働いていますが、民族や習慣の特性を生かしつつ、また、それらの違いを超えて共通の仕事をこなしています。「日本人やドイツ人のプログラマーは、バグ消しに長けている。」「創造性は、米国人が少し勝っている。」「中国人とインド人は、バランスが取れているが、すぐに自分の会社を興そうとする。」など民族性を一般化する意見も聞きます。最初は、「何言ってるんだ。浮世絵、歌舞伎、そして漆などの日本伝統を作り上げてきた日本人の創造性を知らないなあ。」と反発するだけでしたが、これは、裏を返せば、「日本人は、まじめ、几帳面、そして、きれいな仕事ができる」という点を強調しているのだろうとも考えるようになりました。だからこそ、品質の極めて高い日本製品が世界に名を轟かせたのでしょう。この辺りでは、日本車、日本製カメラ、日本製化粧品、果ては、日本製便座にまで大変な愛着と信頼を寄せる米国人によく出会い、それにはむしろ、こちらが面食らう程です。

住友系列と仕事をした経験を持ち、日本について知識のあるTaussig社長は、「企業家精神旺盛な、個人の力でやってくる日本人が増える事は、重要な事だ。」と語っています。彼は、明治の近代化、第2次大戦後の経済発展を成し遂げた日本人の力を信じており、現在の日本の不況は、一時的なものだと考えています。

シリコンバレーは、国籍や勤務経験や学歴などに囚われずに、個人の能力を伸ばす努力を続ける場所を提供してくれますが、そこには、「決して、あきらめない」という精神が潜んでいます。前述のオフィスをガレージに移した人も、収入がなくてもあきらめず研究開発を続けていますし、「ソフト会社は、もって10年」と冷静に判断するTaussig社長には、その認識が次へのステップへ進むための動機付けとなっているようです。その彼にとって、歴史が示す日本人は、「あきらめない」国民という印象があるのでしょう。そして、そのような底力を持つ人間が集まる事によって、不況にあえぐシリコンバレーの景気回復になればという思いもあるように感じられます。

シリコンバレーに住む面白さは、企業経営者から大学教授まで、いろいろな国の知的プロフェッショナルたちが数多く身近に住んでいるため、ご近所付き合いの中ですら、世界情勢を肌で感じる事でしょう。子供を通して知り合ったTaussig一家と親しくなる事により、クリスマスや年末であっても、経営者はラップトップを家に持ち込み、電話を手元に取引成立の努力を重ねている状況を目の当たりにしました。

そして、彼らの日本に対する期待がまだまだ高い事実を知りました。我々日本人は、今後どのように窮地を乗り切っていくのか、世界から注目されている事を認識する必要があるのではないでしょうか。

筆者: Johnnie U.

on コラム Posted by jtpa at 2002年08月02日 17:16

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